TVアニメ『Deep Insanity(ディープインサニティ)THE LOST CHILD』【紹介・レビュー・感想・評価】
「とあるヒーローの物語」
概要
スクウェア・エニックスが手掛けるメディアミックス展開のタイトル。2021年10月から全12話で放送。
漫画とゲームの中間地点にあたる時間軸の話。
あらすじ
ヒーローに憧れる時雨は、スリーパーに志願。第11小隊に配属されると地下世界のアサイラムへの任務に向かう。そこで実際にスリーパーが行っていたのは、調査という名の"生死をかけた戦い"だった。
登場キャラクター
時雨・ダニエル・魁
本作の主人公。ヒーローに憧れてスリーパーに志願した。アニオタ。
ヴェーラ・ルスタモワ
第11小隊の隊長。美麗かつクールな指揮官の氷の微笑がたまらない。
レスリー・ブラン
第11小隊の副隊長。男性だが女性的な服装や言動をする。時雨の兄貴分。
ローレンス・ラリー・ジャクソン
脳の障害を負い、恐怖の感情が欠落している。第11小隊の鉄砲玉。
小鳩 玲香
義足のお嬢様。アニオタ。
餅木 スミレ
元地下アイドル。歌って踊れるオペレーター。
どういう人向けか
・近未来SFが好き
・メディアミックス作品が好き
・クールな女性が好き
見どころ
・レスリー副隊長の男気。
・ヴェーラ隊長のクールビューティーっぷり
・提供時の本編改変ネタ。
・エイデンのエクストリーム離脱。
・「どうしてこうなった!?」
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レビュー
世界観や設定がかなり作りこまれている。一見とっつきにくそうだが、現実世界ベースなので入りやすい。第11小隊のメンバーもオタク多めで、視聴者層に対する意識も高い。
各メンバーの担当回があり、登場人物をしっかりと掘り下げている。
ランドルフ症候群やアルカといったコンテンツの根幹に関わる部分にはほとんど触れられていない。そのため、よくわからない力で、よくわからない邪神を封印する不明瞭な終幕になった。
このことからも本作がゲームへのプロローグという位置づけで作られているのがわかる。
主人公である時雨は自らを犠牲にして世界を救った。しかし、最後にヒーローとして称えるような描写は入れず、補充要員としてゲームの主人公が着任したところで終わる。
実際のヒーローは、存在が知れ渡ること自体が稀有である。そもそもヒーローという概念が非常に特殊なものだ。救われた者だけがヒーローと呼び、救った側にその意識はない。
時雨はヒーローとして人々から神格化されたかったのではない。ただ、ヒーローになりたかった。だからこそ、この物語は間違いなくハッピーエンドなのだ。
感想
ラリーだけ担当回がなかったのは可哀想。設定や性格を生かした面白い話になりそうだっただけにもったいない。痛みを感じないからといっても、あまりに酷い仕打ち。
エイデンが不意打ちで大ダメージを受けていくのが途中から面白くなってしまった。クールを装っている仮面が剥がれていい声で鳴くのがたまらない^^
最終盤のヴェーラ隊長が徐々に心を開いていくのが一番の盛り上がり。あの端正な顔立ちとクールな瞳で"お願い"されては断る男などいるはずがない。
時雨への暗殺に対するアプローチが命令のみというヴェーラの愚直さが可愛い。どれだけ繰り返したのかは分からないが、時雨を"ただのヒットマン"という捨て駒感覚で応対していたとしたら悲しすぎる。
評価
☆☆★★★
メディアミックス作品の性質上しかたないとはいえ、物語の本質や謎の一端にも触れず消化不良のまま終わったのは大きなマイナス点。
あくまでアニメ単体としての評価なので、上記を考えると厳しめになった。
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