『トリニティセブン』【紹介・感想】~アニメノ読ミ物(1)~

2024年6月14日

 「アーカイブに接続。ラッキースケベを実行する」
 『トリニティセブン』は、高校生の春日アラタが従妹の春日聖を取り戻すために奮闘するマジカルファイティングストーリーである。
 しかし、この作品の本質はバトル作品ではなく、純情な青少年をターゲット層にしたハーレムもの。あえて言おう、"スケベ要素“であると。

 それでは『トリニティセブン』がいかに青少年(とくに男子)を狙い撃ちにした内容であるかを独自の視点で語っていきたい。

 ※若干のネタバレありますのでご了承ください。

中二病的カッコよさの追及

 本作では多くの専門用語を別の言葉に置き換えている。術式をマクロ、詠唱をスペル、書庫をアーカイブなど、声に出して言いたくなるような”発音”のカッコよさにこだっている。「書庫に接続」などと日本語だけだと、かなり野暮ったい印象を受ける。「言葉の意味はよくわからんが、とにかくカッコイイぞ!」とテンションを急上昇させる効果は絶大だ。

 主人公のアラタは、魔王候補とされるほどの強大な魔力を秘めている。いわゆる"俺TUEEE"設定であり、ハーレム展開に説得力を持たせることにも繋がっていく。特別な才能を生まれ持つアラタは、青少年(とくに男子)の夢であり、希望であり、最高の妄想である。万能感を投影できる存在だからこそ、自然に、より深く感情移入できるのだ。
 さらに魔王の力による暴走が、純真な心をこれでもかと刺激していく。欲望のままに相手を蹂躙する行為も、創作物だからこそ許される。美少女の衣服を瞬時に吹き飛ばすなど、これほど露骨なロマンはない。
 余談だが、私の青春時代の魔王といえば"ドラゴンボールの牛魔王“なので、魔王に対する憧れはあまりない。

青春の迸り

 そして、もっとも重要なのは美少女たちとの交流である。本作における比率を考えたとき、"中二病のカッコよさ"を1とするならば、"美少女との交流"は1200ぐらいの比率になる。今や戦艦やお城、特産品に至るまで様々なものが美少女化する時代であり、その需要の高さは説明するまでもない。

 ハーレムアニメには、主人公に何の取り柄もないのに美少女が寄って来る雑な作品も少なくない。本作はアラタを魔王候補にすることで、トリニティセブン側が興味を引く形にしている。アラタの方からちょっかいをかけると、ただの軟派野郎になるので論外。あくまで視聴者の望む美少女が勝手に寄って来る状況というのが大事なのだ。
 トリニティセブンには、容姿や性格の異なる美少女が7人いる。リリスやミラのようなツンツンタイプや、アリンやユイのようなデレデレタイプもいる。さらにリーゼのように露骨なお色気担当もいてバラエティに富んでいる。個人的にはレヴィやアキオ、セリナといった普段サービスしないタイプが時折見せるサービスシーンにグッとくる。やはり意外性の爆発力は侮れない。

まとめ

 綿密に構築された世界観や設定があるにもかかわらず、ひたすらラッキースケベを押し通す。その姿勢を貫いたことで、一本筋の通った清々しい作品に仕上がっている。キャラクターのクオリティが高く、バトル偏重でもないため女性にもオススメできる。多感な青少年であれば、色んな意味でエキサイティングすること間違いなし。迷わず観れよ。観ればわかるさ。

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アニメ,読ミ物

Posted by しよう