『機動戦士ガンダム 水星の魔女』感想 第1話 魔女と花嫁

あらすじ

 水星からやってきたスレッタはベネリットグループが経営するアスティカシア高等専門学園に編入する。その際、地球へ脱出しようとしていたミオリネ・レンブランを救助してしまう。
 学園には学生同士の決闘という制度があり、お互いが望むものを賭けて戦うことが許されていた。ミオリネの部屋で暴れるグエルに対し、スレッタは自身の退学を賭けて決闘を申し込む。
 ガンダムは学園の王者が駆るモビルスーツを圧倒。スレッタは新たにホルダーとなった。それは、ミオリネの婚約者になることを意味していた。

感想

 宇宙服のまま漂うミオリネを見つけるスレッタ。これが運命の出会いであることは二人とも(視聴者も含めて)まだ知る由もない。

 デリング・レンブランの見た目がめちゃくちゃ老いていて驚く。苦労の証なのか、それともただの加齢なのか。個人的には白く染めている説を推したい

 デリングを暗殺してミオリネをグエルの婚約者にさせようとするヴィム・ジェターク。暗殺計画をこれほど安っぽく使うのはいただけないが、人の命を軽く弄ぶところはプロローグを忠実に引き継いでいる。そもそも決闘が学園外にも影響を与えるほどの強大な権限を有しているのかは疑問。

 グエルは父親の権威を盾に傍若無人な振る舞いをするが、ミオリネは笠に着ることはしない。それどころか勝手に決闘の景品にされる有様で、そう考えるとレンブラン家は父親の方が傍若無人である。
 ところでミオリネを婚約者にする意味が言及されていない。ベネリットグループの次期総裁の座なのかは分からないが、暗殺を企てるぐらいだからすごい見返りがあるのだろう。少なくとも美味しいトマト食べ放題以上の魅力があるはず。

 グエルとの決闘でガンダム・エアリアルを勝手に拝借するミオリネ。コピーしたIDで認証をパスするとは思わなかった。生体認証のエアリアルもスレッタに関してはかなりザルなのかもしれない。人類の可能性を切り開く新たな扉であればもっと高いセキュリティーを頼む。

 全てのガンダムが否定されて十数年が経った世界。そこに突如として現れたガンダムに気付いたエラン・ケレスの反応は意外とクール。禁忌のモビルスーツになっているわけではなさそう。

 気になったのはスレッタの吃り。緊張している様子を表現したいのは伝わるが、度が過ぎて若干耳障りに感じた。トマトを食べてから落ちついたので、おそらくリコピン不足だったと思われる。

 重いプロローグにつづく第1話。あまりのテンションの落差に戸惑ってしまった。トレンドにも異なるアニメ作品が挙がっているぐらい個性的だし、今後も放送の度に話題を振りまいてくれそう。
 今のところ魔女要素は皆無。水星帰りのガンダム乗りなら魔女と呼ばれても不思議はない。