『機動戦士ガンダム 水星の魔女』感想 第6話 鬱陶しい歌

2022年11月23日

あらすじ

 スレッタは思いがけぬエランの冷たい言葉に傷ついていた。一方、グエルは度重なる無断の決闘と敗北によりジェターク寮を追い出されてしまう。
 エランが検査を終えると、そこへ本物のエラン・ケレスが姿を見せる。エランは花嫁を手に入れれば元の顔と市民ナンバーを用意することを約束していた身代わりだった。しかし、今のエランにとって約束は喜べるものではなかった。
 ミオリネに喝を入れられたスレッタはペイル寮へ向かう。連絡が取れないスレッタは館内放送でエランにバースデーソングを歌う。その歌声はエランにとって鬱陶しく感じられた。
 決闘が開始するとエランは苛立ちをあらわにする。同じガンダムのパイロットでありながら何もかもを持っているスレッタが憎かった。やがてスレッタが危機に陥ると、エアリアルから謎の衝撃波が起こり、エランはガンビットに何者かの幻影を見る。スレッタはその隙を見逃さず、みごと勝利を収めた。
 スレッタは決闘の報酬にエランのことを知りたいと望んでいた。スレッタとの対話でエランの閉ざされた心が氷解していく。勝者の花嫁は、そのやりとりを平然と受け止めていた。

 後日、エランと会う約束をしたスレッタは、待ち合わせ場所にひとりで座っていた。祝福の歌を口ずさみながら。

感想

 いきなり本物のエランが登場。偽エランは理由はどうあれ選ばれた被験者らしい。ペイル社のガンダムは呪いがかなり強力らしく、今も非人道的な実験を繰り返している模様。なぜエランに化ける必要があったのかは謎。

 いつの間にかミオリネが地球寮に馴染んでいる。さらに目の前でスレッタが浮気をしても許してしまう懐の深さまで窺える。少しずつ本妻の貫録がついてきた模様。良い肝っ玉かーちゃんになりそう。

 ついに退寮処分となったグエグエ。最初はあれだけ不安がっていたのに、決闘のときにはすでに“グエルのぼっちキャンプ"状態。3連敗後に決闘を観ながらひとり飲むコーヒーの味は苦い。(CV.銀河万丈)

 エラン戦の最終盤にガンビットから笑い声が聴こえた。ガンビットには人の意思が込められているのだろうか。パーメットの流入を抑えている理屈はまだ明らかにされていないが、その一因なのかもしれない。さらに言えば、ガンビットそのものに意思があると考えてもよい。展開によってはエランもその一翼を担うことになるのだろうか。最終的に仲間の魂を集結させて特攻しないことを願う。

 本作のバースデーソングは"祝う"ものではなく"呪う"もの。生まれたことを祝うたびに命が散る。スレッタがだんだん魔女らしさを帯びてきた。無意識にそうなっているところが実にスレッタらしい。

 余談だが、コラボしているお菓子のエアリアルについて。エランがパッケージのフレーバーは"直火で炙った焼きとうもろこし味"。脚本家がわざわざ第6話放送直前にRTしているので意図的なのは明白。本人は面白いと思ったのかもしれないが、やはりキャラの生死(しかもシリアスな展開)に関わる部分をネタにするのはちょっと笑えないです。

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